大ニュース!「先天性乏毛症治療薬」の実現に大きな一歩です!

(2018年1月10日 追記)

創薬支援ネットワークLPA6のプロジェクトはH28年度で終了となりましたが
この間に進められた研究は意味のあるものだったと思います。

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あまりにも久々の投稿が、こんなにも嬉しいニュースになるとは思っていませんでした。
前回の記事投稿が2012年11月。
あれから約3年です。

その間も、ネットで情報収集するものの大きなニュースもなく・・・と思っていましたが大きな間違いでした。
論文ばかり見ていてもダメですね。もっと広い視野で情報収集しなくては。

そして、そのすっかり見落としていた大ニュースとは・・・

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産学官連携の「創薬支援ネットワークの支援テーマ」に先天性乏毛症治療薬が選ばれています!
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従来のアカデミア創薬では越えることのできなかった死の谷を、創薬エキスパートによる目利きと
総合支援により乗り越え、実用化を目標とした企業導出へと繋げる


http://www.amed.go.jp/program/list/06/04.html

青木淳賢先生(東北大学大学院薬学研究科)の「先天性乏毛症治療薬の探索」は
「スクリーニング」の段階になっています。

ものすごーーーーく、ざっくり言うと

「国をあげての創薬支援対象になった!」

ということです。

実用化の可能性が高いシーズについては、技術支援へ展開ということですが
357件の中から選定された有望シーズ34件の1件として、選ばれています!

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創薬までのプロセス
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標的実用化検証:この薬って、本当に有望?(確認)

スクリーニング:目的の化合物を探す! ←←←←←いまここ!

リード最適化:医薬品候補化合物を見つける(最適化)

非臨床試験:いわゆる動物実験
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前回の井上飛鳥先生の記事では「スクリーニング予定」だったのですが
これはもう、「スクリーニング実施中」で間違いないと思います。

公開されている資料では、全工程の目安として『臨床入りまで3~5年程度』と記されています。
長く見て5年後には治験が始まるかもしれない!?

本当に・・・東北へ飛んでいきたい。近くで応援したい気分です。

それにしても・・・
いつの間に、国がこんな画期的なことを。
確かに日本の創薬は遅れてます。承認も遅いし・・・。
でも、国もちゃんとなんとかしようとしてるんですね。

となれば、次に必要となるのは患者のネットワークかもしれません。
臨床試験も必要ですし、ニーズの大きさを知ってもらう必要もあります。

・・・私もがんばります!

全体像

以下は、関連するページのリンクです

◆首相官邸>健康・医療戦略推進本部>創薬支援ネットワーク協議会
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/souyaku/kaisai.html

◆国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 創薬支援ネットワーク
http://www.amed.go.jp/program/list/06/01.html

◆創薬支援ネットワーク・シンポジウムより(以下引用)
http://www.kobe-bic.org/tmp/100-2/data/100087b.pdf

平成25年5月16日、創薬支援ネットワークの本部機能を担う創薬支援戦略室が医薬基盤研究所に設置され、大学や公的研究機関等で生み出された優れた基礎研究の成果を、医薬品としての実用化につなげるため、医薬基盤研究所、理化学研究所、産業技術総合研究所を中核としたオールジャパンの創薬支援体制が構築されました。

また、平成27年4月から創薬支援ネットワークの本部機能が日本医療研究開発機構に移管される予定となっていることから、新たな体制の下、「オールジャパンでの医薬品創出」を始めとする各連携プロジェクトと協調して、我が国発の医薬品の開発を推進していくことになります。
(ここまで引用)

◆平成27年9月29日(火)に行われた 第5回 創薬支援ネットワーク協議会の議事録
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/souyaku/dai5/gijisidai.html

◆理化学研究所 創薬支援ネットワーク課題
http://www.riken.jp/dmp/contents3.html

コメント

  1. Sunset より:

    記事拝見させてもらいました。
    僕は15歳です。男です。
    自分が先天性貧毛症だとつい最近知りました。まだ親に自分の病気について一度も言われていないのと、そのショックで最近心がすごく病んでいましたが、この記事を読んで少し気持ちが明るくなりました。
    もし自分にできることがあるのであれば、協力したいです。
    いい報告をありがとうございます。
    これからに期待です。

    • mama より:

      コメントありがとうございました。
      本当にこれからに期待です。私もがんばって、もっともっと情報収集します。

      >もし自分にできることがあるのであれば、協力したいです。
      ありがとうございます。何か私達で行動を起こさなくてはいけなくなった時にはぜひご協力いただければと思います。
      また、何か新しい情報が見つかりましたらここに書かせていただきますね!

  2. ごひょうび より:

    mama様

    先日、診断結果のところにコメントし、返信をいただきました。
    ありがとうございました。

    ともすれば難しい内容で理解しがたい情報を、分かり易く教えていただき感謝しております。
    ミクシイのまほうのとびらも拝見しました。
    治療薬を切望している多くの人々が創薬を後押ししていけるような環境があればいいのですが・・・
    私なりに情報収集はしようと思っておりますが、何かありましたらまた教えてください
    重ね重ねありがとうございます!

  3. のも より:

    初めまして。
    知人が、自分の子供が先天性乏毛症なのではと悩んでおります。
    早く治療法が確立されることを望んでいます。
    環状ホスファチジン酸なるものが、化粧品などに配合されて市販されていますが、LPAとは違うものなのでしょうか。リゾフォスファチジン酸で検索するとでてきます。

    • mama より:

      大変返信が遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます。

      「環状ホスファチジン酸」、少しネットで調べてみました。
      「リゾリン脂質メディエーターとしてのリゾホスファチジン酸と環状ホスファチジン酸の存在,代謝および生理機能(1999年 お茶の水女子大学/小林哲幸、室伏きみ子)」というレポートが見つかりました。
      その中に「環状ホスファチジン酸(cPA)はLPA構造類似体」とあります。
      さらに、2015年10月日刊工業新聞の記事で「『環状ホスファチジン酸』(cPA)に高い育毛効果があることを特定した。」というような掲載がありました。
      ただし2016年7月現在、これを使った育毛剤が製薬会社から発売されているような商品はまだないようです。

      このcPAが先天性乏毛症に効果があるかどうかは、LPA6アンタゴニストとして機能するかどうかということだと思うのですが、正直なところ私にはわかりません。
      LPA6アンタゴニストになるかどうかは別として、ミノキシジルと同様に現状での発毛促進を助けるという可能性も考えられますが、これも現状では効果は不明です。

      今後も追って調べていきたいと思います。情報ありがとうございました。